譲られた男物本場大島紬の仕立て替えから考える今の裄丈事情。 | 着物・貸衣装・レンタルなら岡崎の「いちこし」へ。

呉服のいちこし

0564-22-3259

ブログ

譲られた男物本場大島紬の仕立て替えから考える今の裄丈事情。

ご紹介 2019年12月1日

Vol.1019

 

 

本日は、「譲られた男物本場大島紬の

仕立て替えから考える今の裄丈事情。」です。

 

 

岡崎市の呉服屋、呉服のいちこし。

 

 

着物を装い素敵になり、

ほめられて笑顔になる、

笑顔作りアドバイザーの

山脇寿人です。

 

 

ご訪問ありがとうございます。

 

 

10月初旬、お客様より電話で

無くなられたご主人の

本場大島紬のアンサンブルを

孫に譲りたい。との事。

 

 

 

本場大島紬をいただきに行くのと

お孫さんの採寸にご自宅に

伺いました。

 

 

お孫さんは、背の高いイケメンで

身長176㎝、体重65㎏と理想的な体形。

 

 

裄丈を測ると、これまた今の

若者同様に手が長いのです。

 

 

着物の仕立ては、直線裁ちで

直線縫いで出来上がっています。

 

 

手を覆う裄丈は、肩幅と袖幅の

2枚の布のを繋いで出来ています。

 

 

仮に反物の幅が9寸5分(35.6㎝)なら

2倍の1尺9寸まで出来そうですが

縫い代に最低2分ずついるので

出来上がりは1尺8寸2分となります。

 

 

 

増してや一昔前より裄丈を

長くする傾向があります。

 

 

 

 

これは、洋装で手の甲や

手そのものが隠れるくらいの

「萌え袖」が男女ともカワイイと

流行っている事。

 

 

 

と、和装専門雑誌でモデルさんが

お召しの着物が「萌え袖」の様に

少し手の甲に被る事が原因と思います。

 

 

 

これは、モデルさんの着用和装品は

各小売店が最新の品物を提供する

代わりに掲載広告料は免除。

 

 

 

宣伝したい小売店と和装品を

集める手間とその経費を

抑えたい出版社の思惑が

一致した結果です。

 

 

 

小売店は着物を提供後

それを販売する為、縫い後が

なるべく出ない様に寸法を

大きめにして仮仕立てします。

 

 

 

ですので、裄丈の長い

手の甲に被る様な着物を

モデルさんがお召しになるのです。

 

 

 

それを知らない今の若い

一般消費者は、着物の裄丈とは

そういうものと認識してしまいます。

 

 

 

これが一昔前より裄丈を

長くする傾向になったと考えられます。

 

 

 

それが、何十年と着物を愛用する

茶道の先生にも波及しています。

 

 

「いちこしさん、これから作る

着物は裄丈を長くしてね」

言われるお方もおられます。

 

 

 

ですが、裄丈を長くすると

今までのコートや羽織から

着物が出てしまう事となり

簡単には出来ません。

 

 

 

そんな事を説明しながら

お直しをさせていただいています。

 

 

仕立て上った本場大島紬

左より、長襦袢・着物・羽織

 

 

冒頭の本場大島紬、

アンサンブルですので

羽織の裄丈を目いっぱいに

広げて、それに合わせて

着物が仕立て上っています。

 

重なっている下が着物、上が羽織

羽織の方が若干裄丈を長くしてあります。

 

 

ご本人の裄丈の寸法には、

少し足りませんが、男性は

少し短くても「カリッ」と

男らしくお召いただけます。

 

 

 

 

そんな風に寸法なども

時代と共に変化してゆきます。

 

 

 

そんなお直しもさせていただきます。

お気軽にお問い合わせくださいませ。

 

 

 

本日もお読みいただき、ありがとうございました。

 

 

記事一覧に戻る

先頭へ

Copyright (C) ICHIKOSHI All Rights Reserved.